プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるの……」
こずえ「え？（くるっ）」
メリー「うっそー♪」
こずえ（……着信拒否にしてやろうか）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今……」
？？？「あなたのおかけになった電話番号は現在使われておりません。
もう一度番号をお確かめの上……」
メリー「うそ……」
こずえ「うっそー♪」
メリー「……呪ってやる……」
こずえ「なにをいまさら」
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、あなたの家にいるの」
こずえ「嘘でしょ」
メリー「な、なんでわかったのよ！？」
こずえ（……なんでわからないと思ったんだろう……）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、東京特許きょきゃきょきゅ……」
こずえ「は？」
メリー「特許きょきゃきょ……きょきゃ……」
こずえ「東京特許きょきゃ……（ぼそっ）」
メリー「？ 今なにか言った？」
こずえ「なにも」
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、東急田園都市線の二子玉川駅にお邪魔してます」
こずえ「……なによその言い回し」
メリー「おやおや、何か美味しそうな匂いがしますよ〜」
こずえ（ぶらり途中下車か……）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、遊園地にいるの」
こずえ「へー」
メリー「半額で入れたし」
こずえ（……小学生以下だったのか）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、ジェットコース――きゃあああぁーっ！」
こずえ「……楽しそうでいいわね」
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、お化け屋敷にいるの」
こずえ「へぇ」
メリー「〜〜〜〜！（悲鳴）」
こずえ「…………」
メリー「〜〜〜〜！（絶叫）」
こずえ「……用が無いなら切るわよ」
メリー「お願い……出口まで……」
こずえ（怖いなら入らなきゃいいのに……）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、巨大迷路にいるの」
こずえ「で？」
メリー「道が……わかんない……」
こずえ（東京駅で懲りてなかったのか……）
プルルルルル……ピッ
メリー「私メリーさん。今、ヒーローショーに来てるの」
こずえ（やっぱり子供か……）
メリー「あ、そろそろ私の出番だから切るね」
こずえ「そっち！？」