オープニング　1-35

バッツ「さて、今回はタイムアタックにするか全ジョブマスターにするか……」

レナ「……冒険の目的、覚えてる？」

-タイクーン城-

レナ「お父様！どうしても行かれるのですか？」

王「レナ、お前は城を守るのだ。けっして追って来てはならぬぞ」

レナ「お父様……そんなこと言って、実は愛人に会いに行くんでしょ？　なーんて……」

王「そそそそ、そんなわけなかなかなかなかろう。はははははは」

レナ「……」

-海賊船-

ファリス「風が……」

ファリス「風が……語りかけてくる。美味い、美味すぎる！」

子分「十万石饅頭のCMなんて、今どき誰もわかんないっすよ」

ファリス「わかるやつにだけわかればいいと思ってる」

ファリス「風が……止まった……？」

ファリス「でもこの船、シルドラが引っ張ってるから関係ねーんだけどなー♪」

子分「……いや、そうなんですけど。ホントにいいんすか？」

-隕石内部-

ガラフ「風が止まったぞ！　急がなくては！」

　ガチャガチャ……

ガラフ「ふう、ようやく直ったわい。やはり扇風機は涼しいの〜」

クルル「おじいちゃん、さっきから何一人で騒いでんの？」

-タイクーン城-

レナ「風が……止まった……お父様の身になにか！？」

ジェニカ「ではこの城はレナ様のものですね。おめでとうございます」

レナ「早い早い」

　ズズン……

バッツ「なんだ！？　隕石か？」

エアリス「セトラの民の私が止めてみせる…究極の白魔法、ホーリーで」

バッツ「いや、もう落ちちゃったし、あんたの出番は二作品後だし」

-タイクーンの隕石-

バッツ「あれは！」

バッツ「ゴブリンが少女に襲われている！」

レナ「逆でしょ！　私が襲われてるのよ！」

バッツ「あれは！」

バッツ「少女がゴブリンに襲われている！（どきどき）」

レナ「誤解を招くような表現はやめて！」

バッツ「おりゃー！」

ゴブリン達を倒した！　20ギル、6EXP手に入れた！

レナ「ありがとうございます……どうかしたんですか？」

バッツ「何でこいつら、金持ってんだろうな？」

レナ「私に聞かれても……」

バッツ「俺はバッツ。チョコボといっしょにあてのない旅をしてる…」

レナ「暇なんですね」

バッツ「……」

レナ「これが突然空から降ってきて……それで気を失って……」

バッツ「……金ダライ？」

レナ「私、お笑い系じゃないのに……」

レナ「本当にありがとうございました。お礼をしたいのですけど、急がなくてはならないの……」

バッツ「トイレ？」

　ベキッ！

レナ「レディに向かってそんなこと聞かないで」

バッツ「そんなに怒らなくても……」

レナ「何か聞こえない？」

バッツ「え？」

？？？『死んじゃえば良かったのに……』

レナ「あ、バッツの右肩に白い手が……」

バッツ「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ！」

レナ「冗談だけど」

バッツ「冗談？　冗談か？！　じゃあさっきの声は誰だったんだよ！？（半泣き）」

レナ「さあ、何かしらね（にやり）」

レナ「何か聞こえない？」

バッツ「え？」

ガラフ「う……あ……あと五分…（ぐー）」

バッツ「余裕あるみたいだし、ほっとくか」

レナ「そういうわけにも……」

レナ「大丈夫？」

ガラフ「ここはどこじゃ……？　あいたたた……頭を打ったようじゃ」

バッツ「金ダライでか？」

ガラフ「ドリフじゃあるまいし、そんなもので頭を打ってたまるかい！」

レナ「……」

ガラフ「ありゃりゃ……どうしたんじゃ……？　思い出せん……何も思い出せんぞ！」

バッツ「……しょうがないよな」

レナ「人は誰でも年をとるものだし……」

ガラフ「わしはまだボケとらんわ！」

ガラフ「そうじゃ！　思い出した！　わしの名前は……」

ガラフ「ティナ！」

バッツ「やっぱりボケてるじゃねえか」

レナ「他には？」

ガラフ「……ダメじゃ……名前以外のことは何も思い出せんぞ……」

レナ「じゃあ置いて行きましょう」

バッツ「決断早いな」

レナ「本当にごめんなさい。急がなくてはならないの…」

バッツ「どこに行くんだ？」

レナ「家に。早くしないと再放送のドラマが始まっちゃうわ」

バッツ「……」

レナ「さっきのは冗談です。じつは、風の神殿に…」

ガラフ「風の神殿！　わしもそこに行かなければならなかったような気がするぞい！」

レナ「じゃあ私は水の神殿にします」

ガラフ「……わしと行くのがそんなに嫌か？」

ガラフ「わしも行くぞ！」

レナ「でも……」

ガラフ「行かねばならんのだ。連れて行ってくれ！！」

レナ「ごめんなさい。老人ホームに寄ってる暇はないの」

ガラフ「風の神殿だと言っておるじゃろうが！」

レナ「バッツ……あなたは？」

バッツ「俺は旅を続ける」

レナ「そうして、彼は一人孤独に死んでいった……」

バッツ「……縁起でもないナレーションをつけないでくれ」

レナ「バッツ……どうもありがとう！　さよなら……」

ガラフ「さらばじゃ！」

バッツ「……ん？　なんだこのロープ……うわ！　引きずるな！　俺は行かな……痛てててっ！」

-フィールド-

　キキーッ！　――ゴンッ！

バッツ「いててて……ボコ！　急に止まるな！　……なんだよその目は！」

ボコ「クエッ！　クエクエッ！」

バッツ「……じいさんと女の子だもんな……それに、ツッコミがいないと面白くないし……」

ボコ「クエッ！？」

レナ「きゃー（棒読み）」

ガラフ「うわぁ（棒読み）」

バッツ「……助けに来いってことか」

ボコ「クエ」

　ボコン！

バッツ「地割れか！？　ボコ、飛び越せ！」

ボコ「クエッ！」

　ひゅ〜〜〜〜…………グシャ

　『GAME OVER』

バッツ「おい」

レナ「うっ……」

バッツ「よう！　気づいたか？」

レナ「……どちらさまですか？」

バッツ「どれだけ俺に興味が無かったんだよ」

レナ「本当にありがとうございました」

バッツ「おいおい、よせよ」

レナ「わかりました。感謝するのはやめます」

バッツ「そういう意味じゃない」

バッツ「隕石が落ちたときのショックであちこちで、がけ崩れや地割れが起きてる」

バッツ「この先のトゥールに通じていた道も、ふさがっちまった……」

レナ「じゃあ、トンネルを掘ればいいんですね」

バッツ「何年かかるんだよ」

バッツ「やっぱり、俺も行くぜ」

レナ「えっ？　ほんと！！」

バッツ「嘘だ」

　ぐさっ！

レナ「ぐすっ……バッツ、ひどいよ……」

バッツ「だからっていきなりナイフで刺すか…？」

バッツ「親父の遺言なんだ。世界を旅して見てまわれ…それに…風が呼んでる」

ガラフ「とか何とか言って、本当はその子にホの字じゃないのか？」

レナ「ホの字？」

ガラフ「褒められてニヤニヤしたい、という意味じゃな」

バッツ「そんな変な趣味はねえよ」

バッツ「親父の遺言なんだ。世界を旅して見てまわれ……それに……風が呼んでる」

ガラフ「とか何とか言って、本当はわしにホの字じゃないのか？」

バッツ「絶対にそれは無い」

ガラフ「ちなみに、この場合のホは掘」

バッツ「黙らないと斬るぞ」

ガラフ「だがどうする？　道はふさがれてしまったぞ…」

レナ「……」

レナ「…チョコボ、飛べないかしら？」

バッツ「塗るか、黒く」

ボコ「クエッ！？」

ガラフ「だがどうする？　道はふさがれてしまったぞ…」

レナ「……」

レナ「でも、行かなくちゃ！」

ガラフ「そうじゃな」

バッツ「よしっ！　行こうぜ！」

バッツ「……ところで、どうやって行こうか？」

レナ「私に聞かないでよ」

ガラフ「うっ、記憶喪失じゃ」

バッツ「全部俺任せかよ…」

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